三島由紀夫 名言~その2
三島 由紀夫(みしま ゆきお)
本名:平岡 公威(ひらおか きみたけ)1925年~1970年
小説家・劇作家。
主な作品:「仮面の告白」「禁色」「潮騒」 「金閣寺」「豊饒の海」など。
・人生は、成熟ないし発展ということが何ら約束されていないところに怖ろしさがある。
・世の中って、真面目にしたことは大抵失敗するし、不真面目にしたことはうまく行く。
・美というものは、そうだ、何といったらいいか、虫歯のようなものなんだ。それは舌にさわり、 引っかかり、痛み、自分の存在を主張する。
・あなたは歴史に例外があると思った。例外なんてありませんよ。人間に例外があると思った。 例外なんてありませんよ。この世には幸福の特権がないように、不幸の特権もないの。悲劇もなければ、天才もいません。
・退廃した純潔は、世の凡ゆる退廃のうちでも、いちばん悪質の退廃だ。
・恋愛とは、仏蘭西(フランス)の詩人が言ったように一つの拷問である。
・好奇心には道徳がないのである。もしかするとそれは人間のもちうるもっとも不徳な欲望かもしれない。
・私の言いたいことは、口に日本文化や日本的伝統を軽蔑しながら、お茶漬けの味とは縁のきれない、そういう中途半端な日本人はもう沢山だということであり、日本の未来の若者にのぞむことはハンバーガーをパクつきながら、日本のユニークな精神的価値を、おのれの誇りとしてくれることである。
・日本はなくなって、その代わりに、無機的な、空っぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない経済大国が極東の一角に残るであろう。
・どの家でも贅沢な犬を飼いだし、貯金が危険な投機にとって代わり、すべてこれらのことが一つ一つ、まぎれもない世界崩壊の前兆なのであった。
・貞女とは、多くの場合、世間の評判であり、その世間をカサにきた女のヨロイである。
・女の批評って二つきりしかないじゃないか。「まあすてき」 「あなたってばかね」 この二つきりだ。
・どんな邪悪な心も心にとどまる限りは、美徳の領域に属している。
・ある女は心で、ある女は肉体で、ある女は脂肪で夫を裏切るのである。
・私は、恋愛が羞恥心の消滅とともに消滅することを信じて疑わない。
・記憶と言うてもな、映る筈もない遠すぎるものを映しもすれば、それを近いもののように見せもすれば、幻の眼鏡のようなものやさかいに。
・衝動によって美しくされ、熱望によって眩ゆくされた若者の表情ほどに、美しいものがこの世にあろうか。
・目に見えるものがたとえ美しくても、それが直ちに精神的な価値を約束するわけではない。
・庭は夏の日ざかりの日を浴びてしんとしている。・・・・ (豊饒の海 天人五衰 最後の一行)
・秘密は人を多忙にする。怠け者は秘密を持つこともできず、秘密と付合うこともできない。
・人間の弱さは強さと同一のものであり、美点は欠点の別な側面だという考えに達するためには、 年をとらなければならない。
・現実というものは、袋小路かと思うと、また妙な具合にひらけてくる。