有名な詩-萩原朔太郎

萩原朔太郎 有名な詩



萩原朔太郎(はぎわら さくたろう)明治19年~昭和17年、群馬県生まれ。


萩原朔太郎 「竹」

光る地面に竹が生え、青竹が生え、地下には竹の根が生え、根がしだいにほそらみ、根の先より纖毛が生え、かすかにけぶる纖毛が生え、かすかにふるえ。

かたき地面に竹が生え、地上にするどく竹が生え、まつしぐらに竹が生え、凍れる節節りんりんと、青空のもとに竹が生え、竹、竹、竹が生え。



萩原朔太郎 「こころ」

こころをばなににたとへん こころはあぢさゐの花 ももいろに咲く日はあれど うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて。

こころはまた夕闇の園生のふきあげ 音なき音のあゆむひびきに こころはひとつによりて悲しめども かなしめどもあるかひなしや ああこのこころをばなににたとへん。

こころは二人の旅びと されど道づれのたえて物言ふことなければ わがこころはいつもかくさびしきなり。



萩原朔太郎 「旅上」
ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し せめては新しき背広をきて きままなる旅にいでてみん。

汽車が山道をゆくとき みづいろの窓によりかかりて われひとりうれしきことをおもはむ 五月の朝のしののめ うら若草のもえいづる心まかせに。




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